電気通信主任技術者(通信線路)の一様線路の定数と減衰量の関係

電気通信主任技術者(線路)の専門科目である「通信線路」の問1に頻出されている【一様線路の一次定数及び二次定数と減衰量の関係】についてポイントを解説していきます。

近年で2-3回に1問は出題されていますので、この計算問題を確実に解けるようにして8点を確保しましょう!

牽引張力の問題同様、数式とパターンを覚えるだけで解けますので、参考にしてみて下さい。


 

shachikun
過去問の傾向より、下記の内容(特に青マーカー部分と数式)を覚えていれば大部分を解くことができます!
 
過去問より抜粋したポイント

電気的定数が一様に分布している一様線路において、電気特性は「分布定数回路」として扱うことができ、一次定数と二次定数は下記のように与えられる。

R:往復導体の単位長当たりの抵抗
L:インダクタンス
G:往復導体の単位長当たりの漏れコンダクタンス
C:静電容量
α:「減衰定数
β:「位相定数
γ:「伝搬定数
Zo:特性インピーダンス
この時、伝搬定数γと特性インピーダンスZoは、下記の式で表すことができる。
 j:虚数記号
ω:伝送波の角速度
ψ:特性インピーダンスの偏角
また、二次定数は周波数特性があり、30[kHz]以上の高周波の場合αおよびβは次式で近似できる。

ここで、Rは表皮効果や「近接効果」などにより、「周波数の平方根」に比例して大きくなり、αも同様に大きくなる。


さらに、この線路の減衰量が最小となるR、L、G、Cの関係は「RC=GL」であり、これは、減衰量最小の条件といわれる。


減衰量最小条件は、無ひずみ伝送が成立する条件でもあり、伝送に用いる周波数帯域が全体にわたり、「特性インピーダンス」が一定であること、減衰定数αが一定であること及び「位相定数」が周波数に比例することが必要である。

 

※音声周波数程度の低周波の場合、一般に、一次定数間においての「 LG≪RC 」関係が成立するため、角周波数をωとすると二次定数のα及びβは、次式で近似できる。


 

shachikun
それでは、次からこの内容を過去問に当てはめていきましょう!
※ピンクのマーカー以外は、上記抜粋内容で解くことができます。
 
【過去問の利用について】

 

2年分(年2回の4試験分)の過去問利用につきましては、電気通信国家試験センターの「お問い合わせ」に確認し了承頂いております。

出典:一般財団法人データ通信協会電気通信国家試験センター_電気通信主任技術者_試験問題・解答

伝搬定数と特性インピーダンス

令和1年第2回の問1(1)

ア:16    イ:5    ウ:4    エ:9

平成30年第2回の問1(1)

この問題は

平成27年第2回の問1(1)
平成24年第1回の問1(1)

にも同様に出題されています。

 

ア:15    イ:12    ウ:1    エ:7

平成30年第1回の問1(1)

ア:4    イ:2    ウ:10    エ:16

平成29年第2回の問1(1)

この問題は

平成27年第1回の問1(1)
平成24年第2回の問1(1)

にも同様に出題されています。

ア:9    イ:2    ウ:8    エ:15

平成26年第2回の問1(1)

ア:15    イ:13    ウ:8    エ:2

後書き

一様線路の問題は、毎回同じパターンで出題されていますので、上記ポイントと過去問を抑えていれば確実に解くことができます。

電気通信主任技術者(線路)を受験しようと考えている方は、参考にしてみて下さい。

shachikun
合格点60点中8点は、約13%なのでとても大きいです!

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